1993年から1997年まで,初期プロトコールであるCDDP+5-FUを使用し,TPPAE後HSAICを行ったstageW進行膵癌31症例の有効率は73.9%(CR;8.7,PR;65.2%),平均生存期間は18.3ヶ月である. また,2001年からの後期プロトコールであるGemcitabine+5-FU によるstageW進行膵癌85例の検討では,TPPAE後にHSAICを行った65症例の有効率が69.2%,50%生存期間が17ヶ月,MSTが15(10〜65)ヶ月で,1,2,3年生存率がそれぞれ74%,32%,14%であった.
一方,全身化学療法を行った20例の有効率は35%,50%生存期間は7.0ヶ月,MSTは6.0ヶ月で,1,2,3年生存率はそれぞれ18%,0%,0%であった. Logrank testによる有意差検定では,TPPAE and HSAIC群と全身化学療法群との間に明らかな有意差(p<0.001)を認めた(図1). 以上の有効率,MST,1,2,3年生存率を表1に示す.
また,肝転移を伴う膵癌に対するTPPAEとHSAICによる治療前後のCTを図2に示す.
別冊・医学のあゆみ 消化器疾患 Ver.3 ― state of arts U.肝・胆・膵」
医歯薬出版株式会社2006年10月10日発行 より抜粋
詳しくは、当院医師の主な論文を参照ください。