超音波診断について

■ 超音波診断とはどのような検査か

 超音波診断の最大の長所は人体に対して障害のない検査法であることです。
このため病気があるかないかを知るための最初に実施する検査と考えられていますし簡単に何回も実施することができ、経過観察にも最適な方法です。
すぐに画像を観察できることも最大の長所です。
超音波振動子という器械(プローブ)を手に持って観察したい部位にあてることにより画像を写し出し心臓、血管、内蔵などの動きも容易に観察できます。
  カラ―ドプラ法という検査では血液の流れをカラーで表示してすぐに観察できます。最近では超音波造影剤が開発され造影CTや造影MRIと同様に造影超音波が可能となり、小さな癌をみつけたり治療効果の判定に有効です。
 一方、最大の短所は肺・胃腸など内側が空洞の臓器及び骨を超音波は通過しないことです。

■ 検査をうけていただくときの御注意

 通常の検査では皮膚にゼリーを塗ります.これはプローブと皮膚のゼリーの間の空気を追い出すため必要なのです。午前中の検査の場合は朝食を控えていただきますが,これは胃内に食物残渣や空気があると胃の後ろにある膵臓の観察が難しくなるからです。
  さらに食事の影響でたんのうも収縮してしまいます。消化管のガスの影響で膵臓がうまく写らない時には200〜400mlの水を飲むことにより胃内を水で満たしますと膵臓が明らかになります。この他に骨と空気を避けるために体位をかえたり内臓の呼吸性移動を利用したりします。
  また、すぐに画像を写し、観察することにより診断しますのでプローブをどのように走査するかが診断に大きく影響します。検査する側の力量が診断を大きく左右することになります。これも短所の一つだといわれています。
超音波診断の診断精度に影響する要因の主なものをあげますと4つあります。器械の性能、検査を行なう医師や技師の力量、検査時間、患者様の状況です.
  経験豊かな者が高い性能の器械を使い、充分な検査時間をかけて検査を行なうことで初めて正確な画像診断法になります。超音波診断は決してどこで受けても同じというわけではありません。
 
ぜひ、診断技術の正確な施設で受けてください。一つの目安はその施設で日本超音波医学会が認定している超音波指導医、超音波専門医、超音波検査士が検査をしているかどうかです。

 
 
超音波診断で観察できる臓器の様子
胆のう
肝臓・腎臓
大動脈部位